所沢市における有機系太陽電池を用いた自立型発光デバイスの実証試験について

 有機系太陽電池技術研究組合(所在地:東京都目黒区は、NEDOの共同研究事業である「太陽光発電多用途化実証プロジェクト/太陽光発電高付加価値化技術開発事業/E-SEG(緊急時自発光誘導デバイス)の開発」において、埼玉県所沢市と協定を締結し、低日射や低光量の場所でも機能する有機系太陽電池を用いた自立型発光デバイス(自発光誘導灯「E-SEG」)の実証試験を開始しました。
 本実証試験は、所沢市に自発光誘導灯「E-SEG」を設置し、実施用環境下における耐久性・信頼性などの性能を検証し、課題の抽出と対策を進め、実用化を目指すものです。

 埼玉県所沢市の西武線航空公園駅前と駅周辺の路上付近に計49個の自発光誘導灯「E-SEG」が設置されております。(クリックで地図は拡大します。
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E-SEGとは

 E-SEGとは、Emergency Self-Emitting Guidance light deviceの略称で、緊急時や無照明場所で、不特定多数の施設利用者やお客様を誘導し人命を守るための断線の心配のないコードレスな非常時用誘導灯で、蛍光灯下でも発電する特徴をもつ、有機系太陽電池(色素増感太陽電池または有機薄膜太陽電池)と蓄電池、LEDランプで構成される置き場所の自由度が高いデバイスです。 
周囲の明るさを自動で検知し、所定の明るさで、発光部の点灯・点滅の選択が可能で、直線状や曲線状にすることが可能なフレキシブルな導波路を発光部に採用しております。
 デバイスの寸法は150mm角で、点滅モードは発光、点滅の切り替えが可能です。
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実証試験の概要

 航空公園駅前ロータリーに19個のE-SEGを設置(地図左)、並木付近の路上(地図右)に29個のE-SEGを設置しています。
 街路樹や建物の影などの低日射、低光量の環境下でも充電させ、夜間に誘導光として発光させる実験を行っています。
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有機系太陽電池の実証実験に関する協定締結式が開催されました。

 平成27年11月24日(火)16時00分から、所沢市役所3階庁議室において、「有機系太陽電池の実証実験に関する協定締結式」が開催されました。
 この実証試験は、平成26年度より開始されたNEDOの共同研究事業である「太陽光発電多用途化実証プロジェクト/太陽光発電高付加価値化技術開発事業/E-SEG(緊急時自発光誘導デバイス)の開発」の一環で行われるものです。
 所沢市は以前から「マチごとエコタウン所沢構想」に基づき、太陽光発電など再生可能エネルギーの導入を進めております。今回、西武線航空公園駅のロータリーの植栽部分並びに、並木二丁目の路上部分を実験場所としてRATOに設置を許可され、日射や低光量の場所でも機能する有機系太陽電池を用いた自立型発光デバイス(自発光誘導灯「E-SEG」)の実証試験を開始することとなりました。
協定締結式では、はじめに所沢市環境政策課の安藤主幹から所沢市のこれまでの環境・エネルギーに対する取り組みを含めた今回の協定内容ついての概要説明と、有機系太陽電池技術研究組合の上遠野総務部長から設置内容に関する概要説明が行われ、次いで藤本正人所沢市長、田中千秋RATO理事長が「有機系太陽電池の実証実験に関する協定書」に署名を行い、NEDOの松本部長を交えて記念撮影を行いました。
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続いて、所沢市からRATOに所沢市イメージマスコット・トコろんのぬいぐるみが、RATOから所沢市役所に所沢市イメージマスコット・トコろんをデザインした10cm角の有機系太陽電池のセルがそれぞれ記念品として贈呈されました。
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続いて、藤本正人所沢市長がご挨拶され、続いて事業者あいさつとして松本真太郎NEDO新エネルギー部部長、田中千秋RATO理事長がそれぞれあいさつを行い、協定締結式を終了しました。その後、時間の許す限り市長と事業者の参加者全員で意見交換を行いました。